和歌山県田辺市にある、ちょっと変わった温泉「川湯温泉」をご存じですか?
冬になると現れる天然の露天風呂や、自分で掘って作るMy 露天風呂。
ここだけ聞くと何かのアトラクションのようですが、正真正銘、由緒正しき温泉です。
川湯温泉とは一体どんな温泉なのでしょうか。
本記事では、川湯温泉の楽しみ方をご紹介します!
川湯温泉とは
川湯温泉は、熊野川支流である大塔川(おおとうがわ)の川底から湧き出す70度以上の源泉に、冷たい川の水が混ざり合い、程良い温度となった温泉です。
泉質はナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉。お湯に浸かれば神経痛、糖尿病に効果があり、飲用すれば胃腸病、糖尿病、痛風に効果があります。
日頃の疲れを癒したい…と願う人達にとって大変ありがたい温泉ですが、実は川湯温泉には驚くべき楽しみ方があったのです。
河原を掘ってMy温泉を作ろう
夏になると、大塔川の河原は川遊びをする人達で賑わいます。
中には手にスコップや熊手を持って河原を掘る人達も。
大塔川の河原は、3月~11月の間、なんと自分で河原を掘って自分だけのMy温泉を作ることができるのです。
水着を着た子供達がスコップでザクザク、大人もしゃがみ込んでザクザク。数分後には立派な足湯の出来上がり!
川底を掘れば湯が湧き出る川湯温泉ならではのレジャーですが、掘らせてくれる田辺市も素晴らしい。懐の深さを感じます。
もしも上手く掘れなかったら、周りの人にコツを聞いてみてはいかがでしょう。知らない人達と自然におしゃべりできるのも、旅先ならではの特権です。
誰かが掘った穴が残っていることも多いので、ちょっと間借りして楽しんだり。
海で潮干狩りをする代わりに川で温泉堀り、という夏も面白いですね。
冬限定の仙人風呂
12月~2月になるとMy温泉が作れる場所は一旦閉鎖され、代わりに広大な大露天風呂「仙人風呂」が登場します。
大塔川の一部をせき止めて作る仙人風呂は、幅40m、奥行き15m、深さ60cm。日本でも最大級の大きさの露天風呂です。
名前の由来は、かつて仙人のお告げによって発見されたから、という説と、1,000人が一度に入れるから、という説があるそうですが、確かに市民プール並みの広さ。
川をそのまま露天風呂にするという大胆な発想に驚きますが、それだけではありません。
仙人風呂では様々なイベントが開催され、熊野の土地は盛り上がるのです。
湯けむり灯籠
毎週土曜日の夜は、川べりに竹筒の灯篭を並べる「湯けむり灯籠」が開催されます。
満天の星空のもと、ゆらりとした煙に囲まれて川の露天風呂に浸かる…最高の贅沢ですね。
仙人風呂かるた大会
年に一度、全国から参加者が集まる「仙人風呂かるた大会」。
コスプレで参戦するチームもあり、毎年盛り上がりを見せます。
第20回大会の優勝は愛知県から参戦した戦隊チーム。機会があればぜひ私も参戦したい!
川湯十二薬師祭
1月になると、大塔川を横断するように「揚げ物(=大きな張り子)」が吊り下げられます。
これは川湯温泉の守り本尊である十二薬師に供える意味があり、江戸時代中期に始まったと言われています。
揚げ物は干支だったり、人気のキャラクターだったり。
かの有名な目玉おやじやNHKの人気キャラクター・チコちゃんが吊るされていた年もありました。
約1か月間は飾られるそうなので、ぜひ見に行ってみてくださいね。
施設名 | 川湯温泉(仙人風呂は冬季のみ) |
住所 | 和歌山県田辺市本宮町川湯 |
TEL | 0735-42-0735(熊野本宮観光協会) |
川湯温泉郷の日帰り温泉
色々遊んで楽しかったけど、やっぱり最後は落ち着いてお湯に浸かりたいな、という方は、近隣の日帰り温泉を利用してはいかがでしょうか。
川湯温泉公衆浴場
仙人風呂から歩いて8分ほどの距離にある、昔ながらの素朴な共同浴場です。
川底から湧き出た源泉を引き込んでいるので、効用も十分。共同浴場ということで料金も格安。家の近くにあれば毎日でも通いたい共同浴場です。
施設名 | 川湯温泉公衆浴場 |
住所 | 和歌山県田辺市本宮町川湯1425-2 |
営業時間 | 午前6時30分から午後8時まで(午後7時30分まで受付) |
定休日 | 火曜 |
TEL | 無 |
山水館 川湯みどりや
川湯みどりやの大浴場(内湯)から外に出ると、大塔川の河原にある露天風呂に入ることができます。
温泉街で唯一、館内から直接河原の温泉を楽しめる宿。少人数で落ち着いて浸かりたい人にはぜひお立ち寄りください。
源泉が飲める源泉飲泉所がありますので、ぜひ試してみてくださいね。
施設名 | 山水館 川湯みどりや |
住所 | 和歌山県田辺市本宮町川湯13 |
TEL | 0735-42-1011 |
まとめ
楽しく遊ぶ、掘りまくる、という、温泉としては不思議なワードがしっくりとくる川湯温泉。その効能も折り紙付きとくれば訪れないわけにはいきません。
川湯温泉を観光場所のひとつとして遊びに来るのも良し、観光後の疲れを取る温泉として利用するのも良し。
こちらの地域紹介の記事を参考に、家族皆が楽しめる和歌山県田辺市の観光プランを立ててくださいね。