富山県氷見市の特産品「ひみ寒ぶり」は、冬の風物詩として全国的な知名度を誇っています。
産卵前の脂の乗り切った「ひみ寒ぶり」は、まさに絶品!
ブリしゃぶ・刺身など、さまざまな食べ方で楽しむことができます。
今回は氷見市でブリが豊漁な理由や、「ひみ寒ぶり」の魅力、氷見市民の暮らしに根付いた寒ぶり文化をご紹介します。
ひみ寒ぶりとは?
出典:きときとひみどっとこむ
氷見魚ブランド対策協議会が、ブリの大きさ・数量などを見て、安定して出荷できる見通しが立ったと判断されたときに「ひみ寒ぶり宣言」を行います。
宣言期間中に氷見漁港で競られた6kg以上のブリだけが「ひみ寒ぶり」として認定されます。
認定された「ひみ寒ぶり」は、1尾ずつ販売証明書と共に専用の青い発泡スチロールに入れられ、全国各地へと出荷されています。
なぜ氷見の寒ぶりは有名なのか?
出典:きときとひみどっとこむ
ブリは春から夏にかけて北上し、晩秋から初冬にかけて脂が乗り切った状態で日本海側を南下します。氷見市は、能登半島の沿岸から富山湾に入ってきたぶりを捕獲しやすく、脂の乗ったおいしいブリを水揚げすることができるのです。
また、氷見市では400年余り前から、海に固定された網の中へ魚群が入ってくるのを待つ「定置網漁業」という漁法が用いられています。
定置網に貝や海藻が付着することで、漁業資源を増やす効果がある漁法です。
定置網漁場は、漁港から船で約20分程の距離にあるため、新鮮な魚を水揚げすることができます。また、沖合ですぐ魚を仮死状態にすることで、鮮度を保ったまま出荷ができるよう配慮されています。
「氷見の持続可能な定置網漁業」は、2021年に日本農業遺産にも認定されました。
氷見市に根付く寒ぶり文化
ひみ寒ぶり宣言
「ひみ寒ぶり宣言」は、1年に1度出され、多くの氷見市民が待ち望んでいる宣言です。
氷見の人々にとっては、冬の訪れを知らせる風物詩となっています。
毎年11月〜2月ごろに宣言が出され、氷見市役所ではその日の漁獲量とシーズン累計本数を紹介する掲示板が設置されるほど、注目を集めます。2022年は、11月26日〜2023年1月13日に宣言が出され、累計水揚げ本数は21,740本になりました。
「ひみ寒ぶり宣言」は毎年出るわけではなく、出ないシーズンもあるそうです。
そのため宣言が出された際には富山県内でも大きく取り上げられ、漁業関係者・観光関係者の期待を一層高めてくれます。
鰤起し
晩秋から初冬にかけて、北陸地方では地響きのような雷鳴とともに、恐ろしいほどの強風が吹き荒れます。この風雪にともなう悪天候が、ブリの豊漁を告げる「鰤起し」と呼ばれています。
氷見市民は雷が鳴り響く音を聞き、「もうすぐブリがやってくるな」とブリの訪れを感じるのです。
嫁ぶり
氷見市では、年末にその年に結婚した娘の嫁ぎ先へブリを丸々1本贈る「嫁ぶり」という風習があります。
嫁ぎ先からは、捌いたぶりの半身を贈り返す「半身返し」を行うことで、両家の繁栄と感謝を伝える行事です。
まとめ
今回は、富山県氷見市の名物「ひみ寒ぶり」についてご紹介しました。
氷見市民にとって「ひみ寒ぶり」は、県外の人に自信を持っておすすめしたい特産品であり、文化であり、生活の一部となっています。
シーズンになると市内飲食店・旅館では「ひみぶりフェア」が開催され、ブリの刺身・ブリしゃぶ・ブリ大根・焼き物・寿司など、ブリづくしの料理を堪能することができます。
普段はあまり食べることのできないブリかまやブリ肝などを提供するお店もあり、ブリ1本丸ごと味わうことのできる貴重なチャンスです。
フェア期間中は、加盟店で使用できる共通食事券が当たる抽選企画も開催されています。
ぜひ、ここでしか味わうことのできない「ひみ寒ぶり」を食べに、氷見市に足を運んでみてくださいね。