富山県富山市は世界でも有数の「ガラスの街」。
みなさんはご存知でしたか?
富山市内には、ガラスの世界に触れたり、実際にガラス作りを体験できるスポットもあります。
富山市でガラスが盛んになった背景を紐解きながら、「ガラスの街とやま」の楽しみ方をご紹介します!
「薬都とやま」で育まれたガラス製品
「越中富山の薬売り」という名でも知られる通り、“くすりのまち”としても有名な富山市。
富山の薬売りの歴史は300年以上に及び、今でも医薬品の製造が盛んに行われています。
実は、富山市でガラスが発展していったのは、その医薬品製造がきっかけでした。
今でこそ薬の保存容器はプラスチック製が多くなっていますが、かつての主流はガラス瓶。
医薬品製造の周辺産業として、戦前には富山駅周辺を中心に10以上のガラス工場があったと言われています。
富山大空襲により多くのガラス工場が被害を受け、戦後、富山市からガラス製造業は遠のいていきました。
それでも多くのガラス職人が活躍していた富山市では、ガラスという貴重な財産を未来につなげようと、ガラスの街づくりに取り組むことになったのです。
「ガラスの街とやま」を体感しよう!
富山市では、「ガラスの街」として30年以上にわたって人材育成や産業・芸術振興に力を入れてきました。
美しいガラスを見て、触れて、体感できるスポットで、「ガラスの街とやま」の世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
富山市ガラス美術館
ガラスの街づくりの集大成として2015年に開館した「富山市ガラス美術館」。
富山市立図書館が併設する複合施設「TOYAMAキラリ」内にあります。
現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏によるインスタレーション(空間芸術)作品や、常設のコレクション展、現代ガラス美術作品を中心とした企画展など、見ごたえ満載の展示が並ぶ館内。
併設している図書館やガラス張りの展示室の壁面にも、富山ゆかりの作家のガラス作品が展示されていて、館内の至るところで美しいガラスを鑑賞することができます。
また、「富山市ガラス美術館」が入る「TOYAMAキラリ」は、世界的な建築家の隈研吾氏が設計した建物としても有名です。
ガラスのようにキラキラとした外観や、木の温もりと光があふれる内観は、まるでアートそのもの。
歩いているだけでもワクワクした気持ちにさせてくれます。
作品展示を楽しんだ後は、ぜひ2階のミュージアムショップへ。
ガラスの食器や花器、アクセサリーなど多彩なアイテムがそろいます。
富山県在住の作家たちがつくった個性豊かなお猪口「O・CHOCO」シリーズは、お土産としても大人気!
ぜひお気に入りの作品を富山の地酒とセットで楽しんでみてはいかがでしょうか?
富山ガラス工房
実際にガラスの製作体験をするならここ!
「富山ガラス工房」は、ガラス造形作家の活動拠点であり、一般の人もガラス作品の製作体験ができます。
ガラス作家の創作活動を見学したり、ギャラリーやショップで富山のガラス作品を鑑賞したりと、楽しみ方もいろいろ。
ガラスの器で料理やスイーツを味わえる、併設のカフェでゆったり過ごすのもおすすめです。
ガラス製作体験では、工房のガラス作家からレクチャーを受けられるので、初心者でも安心して挑戦できるのがうれしいポイント。
常時開催の吹きガラス体験やペーパーウェイト制作体験のほか、ガラスの鏡もちや風鈴制作など季節ごとの特別体験も開催されています。
世界にひとつだけのガラス作品は、きっと最高の旅の思い出になるはず。
ぜひ、富山ガラスづくりを自分の手で体験してみてくださいね。
まとめ
「ガラスの街とやま」では、ガラスの世界を満喫できるスポットだけでなく、街を歩けば様々なところでガラス作品を見つけることができます。
富山市の玄関口である富山駅構内では、床面に広がる「フロアシャンデリア」や、壁面を彩る「トランジット・ライティング・ウォール」といったガラスアート作品が訪れる人々を出迎えます。
街のあちこちに設置されているガラス作品には、思わず足を止めて見入ってしまうほど。
「ガラスの街とやま」で育まれてきたガラスと富山市の深いつながりを感じながら、美しい富山ガラスの世界を堪能してみてくださいね。