宿泊施設を探すのに予約サイトを使うのが当たり前になってきた今、施設側としてはできるだけ多くのサイトを使って集客したいところです。
しかし、複数のサイトを管理する手間や煩雑な管理業務に時間を取られて困っているオーナーの方も多いでしょう。
そんな中、サイトの一元管理に使えるサイトコントローラーというツールがあるのをご存知でしょうか。
この記事ではサイトコントローラーとはどんなものか、主な機能や導入メリット、国内で多く使われている主要なサイトコントローラーについてご紹介します。
施設の管理業務をもっと楽にしたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
サイトコントローラーとは
サイトコントローラーは、自社サイトや楽天トラベル、じゃらんnetといった複数の宿泊予約サイトを一括で管理できるオンラインサービスです。
ホテルやゲストハウスなどの宿泊施設の稼働率を上げるには、できるだけ多くのサイトに掲載し、顧客獲得を狙う必要があります。
しかし、複数のサイトで同じ部屋が同時に予約されてしまうダブルブッキングのリスクを避けるには、販売数の調整の手間が生じます。
また、いくつものサイトを同時に管理するのはコストの面でも負担が大きいでしょう。
こうした管理の手間を省くために生まれたのが、サイトコントローラーです。
サイトコントローラーには在庫の調整機能があり、宿泊サイトAで1部屋予約が入ると宿泊サイトBの在庫を自動で1つ減らすといったように、ダブルブッキングを防ぐことができます。
最近のサイトコントローラーは、特定の端末を必要としないクラウド型が主流となっています。
そのため、専用の端末を用意しなくても手持ちのパソコンやタブレットがそのまま使えるのもメリットです。
もともとは大手のホテルや旅館で多く利用されていましたが、最近ではゲストハウスや簡易宿泊施設といった小規模な施設でも利用が広がっています。
ひと口にサイトコントローラーといっても、インバウンドに強みを持つものや旅行会社との連携に強いものなどそれぞれに特徴があります。
また、管理する部屋数によって料金も異なってくるので、自社に合ったサービスを選びましょう。
サイトコントローラーの主な機能
サイトコントローラーを宿泊施設の管理に取り入れると、具体的にどのようなことができるのでしょうか。主な機能をご紹介します。
在庫や料金の管理
サイトコントローラーのメインとなる機能はそれぞれの宿泊予約サイトで販売している在庫の管理です。
各サイトの在庫を一元で管理でき、ダブルブッキングを防ぐことができます。
料金や残室数の設定もサイトコントローラー上で一括管理でき、これまで個々のサイトから手動で設定していたのに比べて、大幅に手間を減らせます。
料金ランクの設定
宿泊施設の収益アップのためには、時期によって適切な料金を設定することが欠かせません。
サイトコントローラーを使えば、例えば土日や長期休暇のシーズンなど需要の多い時期には料金を高く設定し、逆に平日や梅雨時といった需要の少なくなる時期には料金を下げるなど、細かい料金ランクの設定が可能です。
予約管理
サイトコントローラーを取り入れると、今入っている予約の日時やプラン、宿泊者情報などを一覧で見ることができます。
掲載する宿泊予約サイトの数が増えても、管理の手間が増えないのはサイトコントローラーならではのメリットです。
データ分析
サイトコントローラーは日々の管理業務だけでなく、データ分析にも活用できます。
それぞれの宿泊予約サイトでの販売実績プランごとの稼働率などをグラフ化したり、CSV形式にしてダウンロードしたりといった機能があります。
サイトコントローラーを導入するメリット
機会損失を防ぎ販路を拡大できる
国内外にさまざまな宿泊予約サイトがありますが、インバウンドに強みを持つサイトや民泊に特化したサイトなど特徴もそれぞれ異なります。
より多くの見込み客にアプローチするには、できるだけ多くのサイトに掲載しておきたいところです。
ここで心配になってくるのが、販売の機会損失です。
例えば20部屋あるホテルが、宿泊予約サイトAとBでそれぞれ10部屋ずつ販売したとしましょう。
サイトAでは10件の予約が入った段階で売り切れ、一方サイトBは在庫が残っているため予約可能という状態になります。
実際にはまだ空き部屋があるにもかかわらず、売り切れとなったサイトAにアクセスしたユーザーは予約ができないため機会損失になってしまいます。
そこでサイトコントローラーがあれば、サイトA・Bの在庫状況をまとめて一元管理できるため、サイトBの残室数をサイトAに割り振ることが可能です。
サイトコントローラーは各予約サイトとシステムでつながっているため、常に最新情報が自動的に更新されます。
担当者が予約サイトから手動で在庫調整を行うのに比べて大幅に管理の手間を減らせるほか、入力ミスも防げるので安心です。
煩雑な宿泊管理を効率化してコスト削減できる
これまで人が行なっていた宿泊管理業務をサイトコントローラーで自動化することにより、時間やコストの削減にもつながります。
特に民泊やゲストハウスといった小規模の宿泊施設ほど、人手不足は深刻な問題です。
一人のスタッフがいくつもの業務を掛け持ちしていることも多いでしょう。
また、予約管理システムが複雑で、新たに入ったスタッフへの指導や人材育成に時間がかかっているなどのお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこでサイトコントローラーで業務をシステム化することで人的業務を減らし、人件費を削減できます。
手動で複数のサイトを管理するのに比べて、データ分析のコストや時間もカットできます。
さらに時間のゆとりができることで既存顧客へのサービス向上や新サービスの提供、新規顧客の獲得など、売上拡大のための業務に時間を割くことができるのもメリットです。
稼働率と宿泊単価を上げることで売上アップにつながる
サイトコントローラーを使えば、自社サイトだけでなく国内外の複数の宿泊予約サイトを一元で管理できます。
そのぶん販売チャネルが増えるため、より多くの見込み客にアプローチでき、稼働率を上げることにつながります。
さらに、集客目的で無理に安い価格で販売する必要もなくなるため、必要に応じて適切に宿泊単価を上げることもできるでしょう。
また、休日や繁忙期には価格を上げ、平日や閑散期には値段を下げるといったように、時期を考慮した価格設定もサイトコントローラー上で可能です。
このように、サイトコントローラーを活用することで稼働率と宿泊単価を上げ、売上アップを目指すことができます。
サイトコントローラーとPMS(ホテル管理システム)の違いは?
タイトコントローラーと同様、多くのホテルや旅館などで使われているのがPMS(ホテル管理システム)です。
予約システムを効率化したいけれど、サイトコントローラーとPMSの違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは両者の違いや使い分けについて解説します。
PMS(ホテル管理システム)とは
PMS(ホテル管理システム)はProperty Management Systemの略称です。
部屋の割り振りや清掃手配といった客室の管理から、顧客情報や売り上げまで、宿泊施設の経営に関わるデータを一元で管理できます。
PMSには専用の端末を必要とせず導入費用もかからないクラウド型と、自社でサーバーを設置することでインターネット環境がなくても使えるオンプレミス型があります。
PMSを使うと、チェックイン・アウトや清算といったフロント業務を自動で行うことが可能です。
サイトコントローラーとPMSの使い分けが重要
サイトコントローラーとPMSは、どちらも宿泊施設の運営を支えるシステムですが、それぞれ異なる役割や機能があります。
PMSはフロント業務を一元で管理するのに対し、サイトコントローラーは自社サイトや宿泊予約サイトなど、複数の販売チャネルを管理するものです。
具体的には、PMSにも予約管理の機能がありますが、サイトコントローラーのように外部サイトの在庫を管理する機能はありません。
逆に、サイトコントローラーは複数の宿泊予約サイトの在庫を一括で管理できますが、清掃管理やチェックイン・チェックアウトといったフロント業務の管理はできません。
このように、サイトコントローラーとPMSはそれぞれ役割が異なり、お互いの機能を補完しあうことで共存するシステムです。
そのため、いずれか一方だけを使うのではなく、両者を連携させて利用するのがおすすめです。
国内の主要なサイトコントローラー
サイトコントローラーとPMSの違いについてご紹介しました。
それでは、具体的にはどのようなサイトコントローラーのサービスがあるのでしょうか。
国内の宿泊施設で広く利用されている、代表的な5つのサイトコントローラーをご紹介します。
mincan
「mincan」は予約管理から清掃管理まで、宿泊施設の管理に必要なすべての機能を搭載したクラウド型ツールです。
感覚で操作できるデザイン
自社予約システムの管理と、サイトコントローラーによる在庫管理が1つのシステムで完結できるのは業界初!
どなたでも簡単に操作できるデザインで、マニュアルの作成や担当者の人材育成にかかるコストを削減できます。
独自の予約サイトが使用可能
プラン登録すると、独自の予約サイトを自動で作れます。
これまで電話やメールのみで予約受付を行っていた方も、宿泊施設のホームページ内に予約ページが作れるので販売チャネルを増やせます。
もちろん独自の予約サイトの販売状況も、自動的に在庫に反映されます。
受付業務もオンラインで
チェックイン手続きをペーパーレス化でき、手書きによるミスを軽減。
オンラインでの受付にも対応できます。
ペーパーレス化の促進を打ち出すことで、SDGsへの取り組みのPRにもつなげられます。
※タブレット使用が必須となります。
TLリンカーン
株式会社シーナッツが提供する「TLリンカーン」は、大手ホテルや旅館など約5,100の宿泊施設で導入されていることから、国内最大手のサイトコントローラーです。
株式会社JTBと株式会社リクルートが出資しているため、旅行会社との連携が強みです。
ダブルブッキングを防ぐ、残室一括コントロール
複数の予約サイトに掲載している料金や残室を一括でコントロールする機能があります。
更新スピードの速さを活かして料金や残室数を調整することで、ダブルブッキングを防ぎます。
共通在庫サービス
共通在庫サービスとは、予約の確定と同じタイミングで在庫の引き落としが実施される仕組みです。
掲載する予約サイトを増やしても、ダブルブッキングなどのトラブルが起きるリスクは増えることがなく安心です。
手間いらず
提携する予約サイト数が国内最多の「手間いらず」は、手間いらず株式会社が提供しています。
手間いらずシリーズには、価格や必要な機能に応じて選べるTEMAIRAZU YIELD・手間いらず.NET2・手間いらずminiの3サービスがあります。
インバウンドに強み
Booking.comから2022年のプレミアパートナーに認定されたほか、国内のサイトコントローラーとしては初めてAirbnbとシステム連携しています。
さらに、台湾の大手民泊サイトAsiaYo.comともシステム連携するなど、インバウンドに強いサイトコントローラーといえます。
サポート体制が充実
電話での問い合わせは平日朝10時から夜21時まで受け付けているほか、メールでの問い合わせもできます。
ねっぱん!
楽天のグループ会社である株式会社クリップスが運営している「ねっぱん!」は、国内トップシェアを誇るサイトコントローラーです。
プラン一括登録
複数の宿泊プランをサイトごとに登録するのは手間がかかりますが、ねっぱん!には一括登録機能があるため、操作にかかる時間を削減できます。
サンクスメール機能
予約受付時やチェックイン前、チェックアウト後に宿泊客宛てのサンクスメールを送る機能があります。
キャンセルの回避やリピーターの獲得に利用できます。
Beds24
民泊に特化したサイトコントローラーとして国内約7割のシェアを持つ「Beds24」は、2005年にサービス開始と比較的歴史の長いサービスです。
導入しやすい料金設定
料金は税込3,960円/1棟からとリーズナブルで、PMSや予約エンジンの機能も基本料金に含まれています。
さらに1ヶ月の無料トライアル期間もあります。
ダイナミック・プライシングで適切に価格を変動
ダイナミック・プライシングとは、需要に応じてサービスの価格を適切に変動させる仕組みです。
直近の競合他社の稼働率や値動き、宿泊施設の周辺で開催されるイベント情報などのデータをもとに、AIが適切な価格を算出します。
ゲストハウスや民泊の運営ならMINCAN
5つのサイトコントローラーをご紹介しましたが、ゲストハウスや民泊といった宿泊施設を複数運営している場合はmincanがおすすめです。
複数棟の運営に優しいシステム
1棟を1部屋として考えられる簡易宿泊所や、ドミトリータイプの運営にも力を発揮できるシステムです。
複数施設の運営なら、さらにお得にご利用いただけます。
すべての情報を1画面に集約
複数の施設を1つの管理画面で一括管理できます。
会計業務や顧客管理から清掃シフトの管理まで、mincanだけでさまざまなPMS情報を網羅しています。
- 予約管理
- 在庫管理
- 宿泊プラン作成
- 食事メニュー管理
- 施設・備品管理
- 顧客情報管理
- 入出金管理
- 清掃管理
- アクティビティ予約管理
- スタッフ情報、シフト管理
さらに楽天トラベル・じゃらんnetなどの予約サイトとの在庫連動システムも搭載。
既存のサイトコントローラを活用した連携のサポートも可能です。
統計情報を分析し、顧客へのダイレクトマーケティングにも活用できます。
まとめ:サイトコントローラーを活用して宿泊業務を効率化しよう
サイトコントローラーの概要や導入メリット、代表的なサイトコントローラーについてお伝えしました。
煩雑になりがちなホテルの予約管理業務も、サイトコントローラーを活用すれば効率化できます。
フロント業務の管理に必要なPMSとも連携させることで管理コストを削減でき、稼働率アップやサービス向上にもつながります。
mincanは宿泊施設の運営に関わるすべての情報を一括管理できるワンストップソリューションです。
導入資料をご用意していますので、詳細はお気軽にお問い合わせください。